【4月5日 AFP】「オーバーツーリズム」問題が指摘されるイタリア・ベネチア(Venice)の市長は4日、今月25日から観光客削減策として開始する入場料徴収について「並ばずに済む」簡単な方法で行うことを約束した。

 国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されている「水の都」ベネチアには、毎年夏になると運河沿いの通りに観光客が押し寄せる。ユネスコではベネチアを危機遺産に加える案も取り沙汰されている。

 市では観光客の数を減らすための新たな戦略として、中心部の歴史地区を訪れる日帰り観光客に対し、25日から5ユーロ(約820円)の入場料を徴収してチケットを発行する。

 この方針は昨年9月に発表されていたが、市が実施方法について詳細を明らかにしていなかったため、入場ゲートの設置など大胆な措置が講じられるのではないかとの臆測を呼んでいた。

 しかし、4日に首都ローマで会見したルイジ・ブルニャーロ(Luigi Brugnaro)市長は「非常にソフトな管理方法」と「行列を作らせない」ことを約束。チケットはQRコードで発行し、所持しているかどうかを調べる抜き打ちチェックを行うと述べた。

 今年のチケット発行は5月から7月にかけてほぼ毎週実施するが、観光客の多い週末に限られるため、影響があるのは29日間のみとなる。

 対象は午前8時30分から午後4時の間に旧市街を訪れる日帰り観光客で、ホテルに宿泊している観光客、14歳未満の子ども、身体障害者などは免除される。(c)AFP