【4月5日 AFP】フランスの裁判所は4日、同国の名優アラン・ドロン(Alain Delon)さん(88)の法的後見を強化した。

 ドロンさんは2019年に脳卒中を起こして以来、健康状態が思わしくない。

 今年1月以来、医療に関する決定は後見人が担っていた。だが、法廷後見が強化されたことで、通常ならば、銀行口座や支出なども後見人が管理することになる。

 ドロンさんはパリから南へ130キロ以上離れたドゥシーモンコルボン(Douchy-Montcorbon)に住んでいるとされ、ここに近いモンタルジ(Montargis)という町の判事が今回の決定を下した。

 ドロンさんをめぐっては、息子のアントニー(Anthony Delon)さんとアランファビアン(Alain-Fabien Delon)さん、娘のアヌーシュカ(Anouchka Delon)さんの間で確執が深刻化している。

 長男のアントニーさんが週刊誌パリ・マッチに、ドロンさんは「衰えた」と語ったことで、争いが明るみに出た。

 アントニーさんは、異母きょうだいのアヌーシュカさんが「巨額の」相続税を回避するために、ドロンさん本人の意思に反してスイスに連れて行きたがっていると非難している。これに対しアヌーシュカさんは、ドロンさんをスイスに連れて行きたいのは治療のためだと主張している。

 ドロンさんは、1999年にスイスの市民権を取得している。(c)AFP