【4月4日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の避難民が、各国からの援助物資として届けられた食料缶の空き缶を使って、テントのような建物を造った。イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の戦闘により人道危機にある中、援助物資に依存している状況を、「既成概念にとらわれず」に世界へ示そうという試みだ。

 避難民のダリア・アフィフィさんは、この「テント」は助けを求める叫びだと話す。

「私たちの生活は『交渉を待つ』ことから『食料缶を待つ』ことに変わったのだというメッセージを(世界に)伝えたい。この状況を止めねばならない。私たちの生活は缶詰だけではない。私たちだって暮らしと平和を愛し、将来を楽しみにする人間だ。でもここの子どもたちには未来も学校もないし、大学も病院もない。ガザでは生活が出来なくなっている」

「テント」を造るのに必要となった缶詰は約3000個で、そのほとんどが空中投下による各国からの支援物資だったものを集めたという。
 
 各NGOや国連(UN)は、ガザ地区の住民240万人が必要とする人道支援物資の提供を、イスラエルが妨げていると非難している。

 国連機関の報告書では、緊急の人道的介入がない限り、ガザ地区では5月までに飢饉(ききん)が起こりうると予測している。

 映像は3月30日撮影。(c)AFP