【4月4日 AFP】サッカースペイン3部リーグで3日、人種差別的な暴言を吐いてきた相手ファンともみ合いになり、レッドカードを提示されたセネガル出身のGKシェイク・カネ・サール(Cheikh Kane Sarr)が、2試合の出場停止処分を受けた。

 ラージョ・マハダオンダ(Rayo Majadahonda)に所属するサールは、前週末に行われたセスタオ・リーベル・クルブ(Sestao River Club)戦の試合中に客席に飛び込み、人種差別的な暴言を繰り返した相手サポーターと衝突していた。

 サールのチームメートは試合続行を望まず控室に戻り、「人種差別は容認できない」と非難していた。

 しかし、スペインサッカー連盟(RFEF)は、サールが「重大な侮辱」を受けたとした一方で、同選手の対応に対して処分を科し、サールとチームメートは暴言が最初に始まった時点で報告してこなかったと指摘した。

 今回の件ではセスタオにも罰金6000ユーロ(約99万円)が科され、今後2試合のホームゲームを無観客で開催することが命じられたが、問題の試合はマハダオンダの選手が試合の完了を拒否したとして、セスタオの3-0勝利扱いとされた。

 地元メディアからは、スタジアム内での人種差別撲滅を目指すのであればサールを処分すべきではないという声が上がっており、スポーツ紙マルカは「被害者を罰することはできない」との見出しで報じた。

 サールは2日に行われた会見で「ひどく、聞くに耐えない、非常に悲しい」暴言を受けたと明かし、インスタグラムでの投稿では「私の娘にはより良い世界が必要。私は闘っている。娘のために闘う」とつづっている。(c)AFP