【4月4日 AFP】フランスのアメリー・ウデアカステラ(Amelie Oudea-Castera)スポーツ相は3日、パリ五輪に対する「具体的」なテロの脅威はなく、大会組織委員会はセーヌ(Seine)川での開会式を執り行う予定だと述べた。

 先月ロシア・モスクワ郊外のコンサートホールが襲撃されて143人が亡くなった事件を受け、7月26日に開幕する五輪への不安が高まっている。

 ウデアカステラ氏は国営テレビ・フランス2に対し、「現在、五輪とパラリンピックを標的とする具体的なテロの脅威はない」と述べた。一方でセーヌ川での開会式は依然として「主な計画」であるものの、「プランBの話をしていないからといって、プランBがないわけではない」と述べ、代替案が水面下で調整中であることを示唆した。

 開会式では陸上競技場をパレードする代わりに、選手団は最大50万人の観衆の前でボートに乗ってセーヌ川を下る予定で、リスクを嫌がる米国やイスラエルを含む、参加するすべての国と地域がこのパレードに参加することになっている。

 組織委は開会式の会場をセーヌ川から移すことを否定してきたが、ボートに乗るのが選手ではなく、パフォーマーのみとするなど、グレードダウンする可能性を示唆している。ウデアカステラ氏によると、5月27日と6月17日には、セーヌ川で開会式のリハーサルが実施されるという。

 五輪は過去に攻撃を受けており、最も悪名が高いのは1972年のミュンヘン五輪と1996年のアトランタ五輪で、多くの選手や観衆がその標的となった。

 モスクワでの事件後、政府は国内にテロ厳戒態勢を敷いており、治安部隊が政府庁舎や交通インフラ、学校などの標的となり得る施設の周囲を巡回している。また仏内務省によると、治安部隊は五輪を前に選手や主要インフラの近くに住む住民を含む最大100万人の調査を行っている。(c)AFP/Cyril TOUAUX