【4月4日 AFP】南仏ニース(Nice)の刑事裁判所は3日、アパートで160匹近い猫と7匹の犬を飼っていた女(68)とパートナーの男(52)に対し、執行猶予付き禁錮1年とペットの飼育を永久に禁止する判決を言い渡した。また、動物愛護団体に15万ユーロ(約2460万円)以上を支払うよう命じた。

 裁判所は「動物たちの健康状態は非常に悪く、遺棄罪が成立する」と判断した。女は控訴する意向を示している。 

 カップルは、ニースにある広さ80平方メートルのアパートで、159匹の猫と7匹の犬と暮らしていた。

 昨年、近隣のトラブルで駆け付けた警察官が、状態の悪い多数の猫を発見。カップルが住むアパートから見つかった猫には、脱水症状や栄養失調に見舞われ、寄生虫にとりつかれ、病斑のあるものもいた。さらに、浴室からは少なくとも猫2匹と子犬2匹の死骸も発見された。

 精神鑑定の結果、女は「ノア症候群」と判定された。ノア症候群は「動物のため込み」とも言われ、適切に世話する能力がないにもかかわらず、通常よりも多くの動物を飼いたがる精神状態を指す。

 カップルは、家賃8000ユーロ(約130万円)を滞納し、立ち退きを迫られていた。

 2人は2014年にも、広さ18平方メートルのワンルームで猫13匹と犬1匹を飼い、捜査対象となった。さらに数年後、女は廃虚にいた猫約30匹を飼い始め、猫はさらに繁殖した。女は猫が毒殺されるのではないかと考え、保護したという。(c)AFP