【4月3日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で食料支援を行っていた米慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン(World Central KitchenWCK)」の職員ら7人が、イスラエル軍の空爆で死亡した1日の事件を受け、各国はイスラエルへの非難を表明した。

 WCKによれば、死亡したのは英国人3人、オーストラリア人、ポーランド人、米・カナダ人各1人。パレスチナ人運転手も犠牲になった。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、「憤りを覚えるとともに心を痛めている」と述べ、イスラエルに対し、今回の空爆に関する調査を「迅速に行って説明責任を果たし、結果を公表しなければならない」と強い表現で要請した。

 さらに、パレスチナ自治区での人道支援が困難なのは「イスラエルが援助要員への保護を万全に行っていないためだ」と指摘した。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は国連総会(UN General Assembly)で、「許し難い」攻撃だと非難した上で、「今のようなやり方で戦争が行われている以上、避けられない結果だ」とし、「人道的な即時停戦と人質全員の無条件解放、ガザへの人道支援拡大が急務であることを改めて浮き彫りにした」と演説した。

 英国はイスラエル大使を召喚し、「明確な非難」を表明。英首相官邸は、リシ・スナク(Rishi Sunak)首相は同国民が死者に含まれていることに「衝撃」を受け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相にも「援助要員の殺害は言語道断だ」と伝えたとしている。

 フランスのステファヌ・セジュルネ(Stephane Sejourne)外相は、「こうした悲劇を正当化することはできない」と述べ、「人道支援従事者の保護は、すべての人が固守しなければならない道徳的・法的責務」との考えを示した。

 ネタニヤフ氏は、「意図しない」攻撃だと認めたものの、謝罪はしていない。イスラエル軍は調査を約束し、結果を「包み隠さず明らかにする」としている。(c)AFP