【4月2日 東方新報】中国初の民間自主開発の飛行船AS700「翔雲(Xiangyun)」が、中国中部の湖北省(Hubei)の二つの空港間で初の試験飛行を行った。低高度経済の発展の支援のため、今後さらに長距離の試験飛行を行い、商業運航の実現につなげる予定だ。

 この飛行船を開発した中国航空工業集団(Aviation Industry Corporation of China)傘下の中国特殊飛行器研究所(Special Vehicle Research Institute)の説明によると、AS700「翔雲」は荊門漳河(Jingmen Zhanghe)空港を離陸し、荊州沙市(Jingzhou Shashi)空港に着陸し、その後また出発地に戻る180キロの周回飛行を行い、飛行時間は3時間を超えたという。

 AS700研究プログラムの周雷(Zhou Lei)チーフエンジニアは「今回の試験飛行は、上空・地上間の通信、搭載機器、さまざまな場所での離着陸などの機能を検証し、またメンテナンスや研究チームの対応能力テストも兼ねていた。今後の長距離、長時間の試験飛行のための経験となった」と語った。

 AS700はパイロットを含め最大10人が搭乗可能で、最大離陸重量4トン150キロ、最長飛行距離700キロ、最大耐空時間10時間、最高速度は時速100キロだ。

 2024年政府業務報告書には「中国は低高度経済などの新たな成長エンジンを育成する」と記されているが、この飛行船はまさにその一翼を担う乗り物となるだろう。

 中国民用航空局は23年12月にAS700の「飛行船型式証明書」を発行している。

 プロジェクトマネージャーの杜偉(Du Wei)氏は「中国のいくつかの観光プラットフォームや観光地から将来のコラボレーションを検討したいとの連絡があった。AS700は緊急救助や都市の公共サービスにも利用でき、低高度経済発展の後押しが可能だ」との自信をのぞかせた。(c)東方新報/AFPBB News