【4月1日 CNS】「父親が他界したため、コンサートのチケットを払い戻そうとしたら死亡証明書を要求された」。中国のネット上で最近、こんな投稿が激しい論争を巻き起こした。

 広東省(Guangdong)の女性が3月17日に歌手のコンサートのチケットを980元(約2万円)で購入したが、父親が急死したため、払い戻そうとした。ところが、チケット販売プラットフォーム側は「たとえ近親者が亡くなったとしても、払い戻すことはできない」と言い、何度もやりとりした後で、プラットフォーム側は彼女に父親の死亡証明書の提出を求めてきたのだ。

 別の歌手のコンサートでも2023年12月23日、チケットを購入した人がガンになったことから診断書を提出して、払い戻しを求めたが、チケット販売プラットフォーム側から拒否されるケースが発生している。

 中国メディアよると、2023年の中国エンターティメント業界の市場規模は739億9400万元(約1兆5494億円)となり、コロナ禍前の2019年の同期比29.30パーセントも増加した。

 中でも芸能人のコンサートは人気が高く、多くのチケットが入手困難な状態だ。一方で、「ダフ屋」によるチケットの転売や、チケットの払い戻しの難しさなどが度々注目を集めている。

 トラブル続発を受けて、中国政府は通達を出し、コンサートなどのチケットの払い戻しルールの整備を業界に働きかけている。業界の発展のためには、消費者の返金問題に正面から向き合い、返金メカニズムを確立できるかが今後の鍵となりそうだ。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News