【4月1日 CGTN Japanese】中国航空工業集団が自主開発した民間用有人飛行船「祥雲」AS700が3月30日午前7時4分、中国中部の湖北省荊門漳河空港から空中に舞い上がり、1時間46分の飛行の後、荊州沙市空港に穏やかに着陸し、短い休憩を経て荊門に戻り、初のフェリーフライトを終えました。今回のフェリーフライトでは、飛行船自体の性能と乗務員の飛行、地上支援、空域調整などの総合能力をあらゆる面から検証し、今後の長距離フェリーフライト実現の基礎を固めました。

 今回のフェリーフライト任務を担当したAS700の林宏操縦士は、「AS700はベクトル制御技術を採用しており、狭い場所で垂直離着陸が可能な能力を備えている。また、他のさまざまなタイプの飛行船と比べても機動性が高く、限られた土地を隅々まで活用でき、運営コストを大幅に節減できる」と語りました。

 AS700有人飛行船プロジェクトマネージャーの杜偉氏によりますと、昨年、AS700が型式証明を取得したというニュースは国内外で大きな反響を引き起こし、既にいくつかの大手国営旅行会社や5A級の観光地から引き合いが来ているとのことです。また、AS700の開発は中国の消費の高級化へのモデルチェンジ・アップグレードという需要に見合うもので、現在約20機の発注意向を得ており、1機目は今年末に引き渡される予定です。開発チームは今後、緊急救援や都市公共サービスといった分野にも利用シーンを広げ、商業運行に向けて徐々に市場への普及を図っていきたいとしています。

 AS700有人飛行船は流線型エアバッグ外形で、4枚の「X」型硬式台形尾翼、1点1支柱式非格納式着陸装置を採用しています。最大離陸重量は4150キログラム、最大航続距離は700キロ、最大飛行時間は10時間、最大飛行速度は毎時100キロ、最大乗船人数は10人(操縦士1人を含む)となっています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News