【3月31日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)北部で30日、まれにしかない支援物資の配給中に起きた銃の発砲と直後の混乱で5人が死亡した。パレスチナ赤新月社(Palestinian Red Crescent)の医療関係者によると負傷者も数十人出ている。

 目撃者がAFPに語ったところによると、発砲したのは配給を監視していたパレスチナ人と近くのイスラエル部隊。物資を積んでいたトラックがあわてて引き返そうとしたところ、複数の住民をはねたという。

 イスラエル軍はAFPに対し、「そうした事故の記録はない」と述べた。

 世界保健機関(WHO)は、200万人を超えるガザ住民に対し、今回の紛争前に病院は36か所あったが、現在は「最低限機能している」病院が10か所しかないと説明。テドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、約9000人の患者が域外での救急治療を必要としていると訴えている。

 国連機関はガザ北部について、飢饉(ききん)の寸前にあると繰り返し警告。物資を積んだトラックがエジプトとの境界でイスラエル当局に足止めされていることから、人災だと指摘している。

 イスラム組織ハマス(Hamas)の保健当局によるとガザでは30日、イスラエル軍による夜間の爆撃でも少なくとも82人が死亡した。(c)AFP/Adel Zaanoun with Fiachra Gibbons in Jerusalem