【3月30日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の王者カンザスシティ・チーフス(Kansas City Chiefs)は29日、ラグビーウェールズ代表のスター選手ルイス・リース・ザミット(Louis Rees-Zammit、23)が契約にサインしたと発表した。

 2月に行われた第58回スーパーボウル(Super Bowl LVIII)で連覇を果たしたチーフスは、X(旧ツイッター)に稲妻の絵文字付きで「リース・ライトニング(稲妻)が到着した」とつづった。一緒に投稿されたラグビーをプレーしているリース・ザミットの写真には、「チーフス王朝」へようこそというメッセージが添えられていた。

 Xではまた、リース・ザミットが「やあ、チーフス王朝。ルイス・リース・ザミットはここにいる。(本拠地の)アローヘッド(・スタジアム<Arrowhead Stadium>)で会うことが待ちきれない」と話している動画も紹介された。

 米専門チャンネルNFLネットワークは、リース・ザミットが出来高払いおよび一部保証付きの3年契約にサインしたと報道。NFLでは選手を放出して契約を終了することができるため、保証の部分は重要な意味を持つ。

 イングランド・プレミアシップのグロスター(Gloucester Rugby)で2018年からプレーしているリース・ザミットは、今年1月にラグビーユニオンを離れてNFLでのキャリアを模索すると表明。前週には、米国外を拠点とするアスリートのNFL入りを可能とするために2017年に設立された「インターナショナル・プレーヤー・パスウェイ(IPP)」と呼ばれるプログラムに参加していた。

 チーフスのある関係者によると、リース・ザミットはこのプログラムの40ヤード(約36.5メートル)ダッシュで4秒44を記録しており、これはドラフト候補生が参加する今年のNFLスカウティングコンバインにおいて、テールバックでは5番目相当の速さだったという。

 NFLでの契約がまとまる間、チーフスのほかにニューヨーク・ジェッツ(New York Jets)やクリーブランド・ブラウンズ(Cleveland Browns)、デンバー・ブロンコス(Denver Broncos)などを訪れたと報じられたリース・ザミットは、IPPを経て契約した37番目の選手となり、今後は同プログラムでわずか6人目となるロスター登録を目指す。

 これまでロスターに入った選手の数は少なく、フィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia Eagles)のOTジョーダン・メイラタ(Jordan Mailata、オーストラリア)、元ラグビーリーグ(13人制)の選手でワシントン・コマンダーズ(Washington Commanders)のDEエフェ・オバダ(Efe Obada、英国)、ラスベガス・レイダース(Las Vegas Raiders)のFBヤコブ・ジョンソン(Jakob Johnson、ドイツ)、コマンダーズのDLデイビッド・バダ(David Bada、ドイツ)、そして同じくコマンダーズのTEサミス・レイエス(Sammis Reyes、チリ)だけとなっている。

 RBとWRに加えてスペシャルチームのキッカーでも起用が予想されているリース・ザミットがロスターに名を連ねるかどうかは、チーフスの練習キャンプやプレシーズンゲームでのパフォーマンスの出来に懸かっている。(c)AFP