【3月30日 AFP】マリ出身フランス人歌手のアヤ・ナカムラ(Aya Nakamura)さん(28)は29日、ニューシングル「Doggy」をリリースし、パリ五輪でパフォーマンスを披露する可能性があるとの報道に反発の声を上げている極右グループらを皮肉った。

 世界で最も人気の高い仏語ミュージシャンで、ユーチューブだけで10億近くのストリーミング回数を記録している「ジャジャ(Djadja)」などのヒット曲を持つナカムラさんは、新曲で「敵などいない。私にはね。私を嫌っているのは彼らの方だ」「敵が山ほどいても、私は彼らのことを知りもしない」とラップしている。

 先月エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領と面会した際に、7月のパリ五輪開会式でエディット・ピアフ(Edith Piaf)さんの楽曲を歌う可能性について話し合ったと報じられて以降、ナカムラさんは騒動の中心となっている。

 報道内容が事実かどうかは双方とも明らかにしていないものの、このうわさは「国民連合(RN)」を率いるマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏ら極右政治家から反発の声が上がるには十分だった。

 ルペン氏は仏ラジオ局で「正直なところ、あまり良くないシンボルだ。これはエマニュエル・マクロン氏からの新たな挑発だ」と述べ、ナカムラさんの「服装と下品さ」に苦言を呈した。

 こうした批判の声に関してナカムラさんは先日、「私があなたたちにエディット・ピアフを発見させ、彼女が自分の中に生まれ変わったという印象を持っている。あとのことは、彼らが私を好きでも嫌いでも、それは彼らの問題」とソーシャルメディアで一蹴していた。

 しかし今回の論争は、多くのファンや政治家の支援者がナカムラさんが五輪で歌うことを固く信じていることを意味する。(c)AFP