【3月29日 AFP】英イングランドの教師の約5人に1人が過去1年間に教え子に殴られた経験があることが、28日に公表されたBBCの調査結果で明らかになった。

 英国の学校は、新型コロナウイルス流行終息後の児童・生徒の素行の悪化に悩まされている。 

 教育水準局(OFSTED)のアマンダ・スピールマン(Amanda Spielman)首席監査官は昨年、学級崩壊の全国的な増加は、新型コロナ対策としてのロックダウン(都市封鎖)による長期休校で子どもたちが「社会化」できなかったためだと指摘。問題の解決には数年かかるとの見方を示し、各地の校長たちの時間が「あまりにも多く」奪われていると指摘した。

 BBCは2月と3月、「ティーチャータップ(Teacher Tapp)」という調査ツールを使い、教員約9000人を対象に調査を行った。

 その結果、20%近い教師が、過去1年間に教え子に殴られたことがあると回答。また30%が、前の週に教え子同士がけんかしているのを見たと回答した。

 さらに11~18歳を担当する教師の15%が、学校で生徒からセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けた経験があると答えた。

 全英規模の教員労組NASUWTのパトリック・ローチ(Patrick Roach)書記長は「英国の教師が経験している仕事量と仕事関連のストレスは、ディストピア並みだ」「給与、仕事量、労働時間、職場における権利の改革なくしては、これ以上持たない」と語った。(c)AFP