【3月26日 AFP】米大リーグ(MLB)、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の大谷翔平(Shohei Ohtani)は25日、元通訳の水原一平(Ippei Mizuhara)氏が賭博による借金を返済するため自身の口座から金を盗んだとされる件について「悲しくショック」と述べ、自身が野球や他のスポーツに金を賭けたことは一度もないと話した。

 本拠地ドジャースタジアム(Dodger Stadium)で、今回のスキャンダルについて初めて口を開いた大谷は、長年自身の通訳を務め、友人でもあった水原氏の問題について「信頼していた方の過ち。悲しくショック」とコメントし、「僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、それをまた頼んだりということはない」と語った。

 水原氏は、スキャンダルが発覚する前の19日に行われた米スポーツ専門チャンネルESPNの取材で、大谷が自身の借金を肩代わりしてカリフォルニアのブックメーカーに送金したと話していたが、大谷は「これらは全く、全てがうそだった」と否定。

「僕は彼の借金返済にももちろん同意していないし、ブックメーカーに対して送金を許可したこともない」とした上で、「本当に数日前まで彼がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした。結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ、みんなにうそをついていた」と述べた。

 水原氏のギャンブル問題を初めて知ったのは、韓国で20日に行われたサンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)との開幕戦後のロッカールームで、水原氏がチームに英語で説明をした時だと明かした。その後、滞在先のホテルで水原氏と一対一で話をし、その際に「僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していた」ことを伝えられたと語った。

「正直ショックという言葉が正しいと思わない。それ以上のうまく言葉では表せないような感覚で、この1週間は過ごしてきた。今はそれをうまく言葉にするのは難しい」

 会見で質疑応答は行わず、水原氏がどのようにして自身の銀行口座にアクセスし、450万ドル(約6億8100万円)に上るとされる金を盗んだかについては言及しなかった。今後は「弁護士の方々にお任せし、僕自身も警察当局に全面協力したい」とした。

 今回の件で水原氏はドジャースから解雇され、22日には大リーグ機構が調査を開始したことを発表している。機構は大谷と水原氏を含む全ての関係者に事情を聞くとみられるが、水原氏はもうMLBで働いていないため、協力を強制することはできない。

 映像は25日撮影・提供。(c)AFP/Rob Woollard