【3月25日 CNS】冬眠していた竜が目を覚まし、天へ昇っていくと言われる旧暦2月2日(今年は3月11日)の「竜台頭」。中国ではこの日に理髪をすると縁起がいいとされ、美容院、理容院は予約でいっぱいになる。

 中国のフードデリバリー大手、美団(Meituan)のデータによると、3月11日14時の時点で、美団美容院の予約・注文数は30万件近くに達した。

 北京市のチェーン理髪店店長の李(Li)さんの店舗は朝陽公園(Chaoyang Park)近くにあり、美容師6人を含む計20人の従業員が在籍している。李さんによると、この日は午前中だけで約70人の来客があったという。 

「午前8時から午後1時半まで、みんなとても忙しかったので、食事をする暇もありませんでした。」と李さん。昨年の竜台頭当日には、1日約120人の来客があったというが、今年はその数を上回っている。

 北京市朝陽区にある別の理髪店も、この日は一時的にスタッフを追加配置した。この店には美容師が2人いるが、臨時で1人が加わったという。理髪店のオーナーは「とても忙しい。午前中は30人も40人も来店しましたたが、夕方にはさらに増えるでしょう」と語った。

 混雑を避けて早めに来店する人もいる。

「前夜(3月10日)に理髪に行きました。週末のせいか人が多かったのですが、竜台頭の当日よりは人が少ないだろうと思って、事前に理髪したわけです」と北京在住の朱(Zhu)氏は話した。

 開店時間を早める店舗もある。北京四蓮美容院王府井店は顧客を迎えるため午前5時頃に開店し、客を迎えた。

 美団のデータによると、3月9日から3日間で、同社プラットフォーム上の「理髪」の検索量は前年比160%増加し、関連売上は200%以上増加した。

 特に男性と子供の理髪人気はますます高まっており、子供を例に取ると、同社の検索ボリュームは前年比330%増加したという。

 この日は料金も高騰する。「私がよく行く店は、3年前に15元(約313円)から30元(約627円)に値上げしました。美容師は2人だけで、技術は特に変わっていません」と朱さんは言う。

 美容室、理容室側にも値上げを余儀なくされる理由がある。「従業員の人件費は上がっており、コストが高騰しています。家賃も年々高くなっており、実際の利益は非常に低いままなのです」と李氏は説明する。現在北京の美容、理容師の平均給与は約1万2000元(約25万円)で、店舗経費のうちスタッフの人件費が約40パーセント、家賃が約30パーセントを占めているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News