【3⽉29⽇ Peopleʼs Daily】中国政府が深セン経済特区と上海浦東新区に続く全国にとっての意義を持つ新区として河北省(Hebei)雄安新区(Xiong’an New Area)の建設を決定したのは2017年4月1日だった。

 雄安新区スタートエリアでは、エネルギーおよび化学企業の中国中化集団の本部が入居予定の中国中化大厦が27階まで建設された。建設のプロジェクトマネージャーによると、春節(旧正月、2024年は2月10日。Lunar New Year)の長期連休には、交代で休んで工事を進行させた。「7日ごとにビルが1階『成長』する速度」を維持したという。

 雄安新区では累計292件の重点プロジェクトが実施されている。投資額はすでに6500億元(約13兆6000億円)以上で、建設されるビルは4000棟余りだ。道路新設は712キロ、地下共同溝の新設は141キロ、堤防の新設は315キロだ。

 雄安新区は、白洋淀(Baiyangdian)という多くの湖沼が点在する湿地帯に隣接している。河北省は白洋淀の全域を総合した生態環境の整備を進めてきた。2017年には水質が「農業用水にも適さない」とされる劣5類だったが、現在では3年連続で「工業用水としての使用も可能」とされる3類に認定されるようになった。飛来する野鳥は新区設立前より70種増えて276種になった。野生の魚類は21種増えて48種に達した。また、雄安新区では大規模造林が進められ、かつては11%だった森林被覆率が現在では34.7%になった。

 雄安都市計算センターはデジタル都市を構築する中枢だ。大画面には「スマート生態樹」を表示できる。この「木」は新区のさまざまなデジタルプラットフォームで構成され、各種状況をリアルタイムで示すことができる。

 例えば、独居高齢者が自宅で一定時間以上水を使用しなければ、自動的に警報を出し、その高齢者の家を訪問して状況を確認するよう促す。このようなスマートモニタリングとケアは、雄安新区のスマート管理の縮図だ。

 雄安都市計算センターは4種のプラットフォームの運用を通じて、280億件以上の都市の状況のデータを集め、実体都市とデジタルツイン都市の深い融合を実現し、都市管理をより精密化し、スマート化した。

 雄安新区設立の第一の目的は、北京から首都機能以外の機能を移転させ、北京市への過度の集中を減殺することだ。そこで雄安新区では、ホテル式マンション、オフィス、コンベンションセンター、ブティックマンションなどの機能を持つ大型建築群が作られた。また、許認可の申請、税務、社会保険などの企業が必要とする各種手続きもこの地で全て完了できる。

 北京交通大学(Beijing Jiaotong University)、北京科技大学(University of Science and Technology Beijing)、北京林業大学(Beijing Forestry University)、中国地質大学(北京)(China University of Geosciences)の雄安キャンパスも2023年11月に着工された。中央企業と呼ばれる中国中央政府が出資する国有企業は雄安新区内に計200以上の関連施設を置く予定だ。

 雄安新区は今後も勢いよく成長し、未来型都市の素晴らしい物語を書き続けるはずだ。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News