【3月23日 CGTN Japanese】蘇清吾さんは1990年代生まれの女性で、中国の東部にある浙江省温州市出身のフリーのカメラマンです。伝統文化を愛する蘇さんは3年前、釘などを使わずに木材を組み合わせるほぞ継ぎの技術を独学して、150日をかけて自宅の庭に木造の「故宮あずまや」を建てました。蘇さんは建造の過程を動画撮影してネットに投稿し、多くのネットユーザーの注目と議論を呼びました。

 蘇さんは2023年、この「故宮あずまや」を解体しました。というのは、あずまやを建てたのは初めてで、松の木を使ったために時間が経つと変形する部分が出現し、しかも塗料が乾くと色が濃くなってしまったからです。

 蘇さんは、ほぞ継ぎや斗拱(ときょう)と呼ばれる柱の上部に設けて屋根を支える構造、彩色の技術を改めて全面的に学び、さらに北京や山西省に調査研究のために足を運んで古い建物の支柱や梁、木材の組み方を丹念に観察しました。そして最初の「故宮あずまや」と同じ場所により複雑な、重檐(ちょうえん)と呼ばれる伝統的な中国建築の複数階建ての屋根を持つ「故宮あずまや」を再建しました。

 蘇さんは「故宮あずまや」に続いて、唐代式のあずまやも建てました。次の目標は宋代式のあずまやです。蘇さんは自分の製作過程をネット配信することで、多くの人に中国の伝統的建物の魅力を感じてもらいたいと願っているとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News