【3月19日 AFP】フィリピンを訪問中のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は19日、南シナ海(South China Sea)における武力攻撃から長年の同盟国フィリピンを防衛することは米国にとってゆるぎない義務だと表明した。

 ブリンケン氏のフィリピン訪問は、南シナ海周辺で中国と対立する同盟国への支援強化を示すアジア歴訪の一環で、2022年にフェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)大統領が就任して以来2度目。来月には米首都ワシントンで日米比首脳会談が予定されている。

 中国は南シナ海ほぼ全域の領有権を主張。東南アジア諸国による領有権の主張や、中国の領有権主張を否定する国際的な判決を無視している。最近もフィリピンと中国の船舶が係争海域で衝突するといった事態が発生している。

 ブリンケン氏は「これらの水路はフィリピンにとって、そして同国の安全保障、経済にとって重要だが、周辺地域および米国や世界にとっても重要だ」「だからこそわれわれはフィリピンと共に立ち、相互防衛条約を含むゆるぎない義務を守る」と述べた。

 一方、中国はブリンケン氏の発言に反発。外務省の林剣(Lin Jian)報道官は同日の定例会見で「米国は南シナ海問題の当事者ではなく、中国とフィリピン間の領海問題に干渉する権利はない」と述べた。

 さらに「米国とフィリピンの軍事協力が、南シナ海における中国の主権や海洋権益を害することがあってはならない。ましてやフィリピンの不当な主張に基盤を与えてはならない」「中国は領土主権と海洋権益を断固として守り、南シナ海の平和と安定を維持するために必要な措置を取り続ける」と強調した。(c)AFP/Leon BRUNEAU