【3⽉27⽇ Peopleʼs Daily】中国では2月10日から17日までの春節(旧正月、2024年は2月10日、Lunar New Year)連休中に、市レベルの行政区画を越えて移動した人が延べ23億1100万人に達したとみられる。うち鉄道利用者は計9959万人、自動車による移動は計21億8400万人、船舶利用者は計940万人、航空機利用は計1804万人だった。

 中国の高速鉄道は2023年に2776キロ分が新規開業し、高速道路では7000キロ超を建設または改修し、国内航空路線ネットワークではアクセス性が23%向上した。

 福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)に住む陳さん一家は春節連休中に、福厦高速鉄道を利用して同省泉州市(Quanzhou)を訪れた。陳さんは「1時間もかからずに到着しました。古い街を堪能しました」と述べた。

 2023年末には京雄高速道路が全線開通した。河北省(Hebei)内の雄安新区(Xiong’an New Area)に実家がある張さんは「路面は平坦で、標識もはっきりしている。風景も良い。北京から雄安に帰るのに、車で1時間しかかかりませんでした。とても便利です」と、喜んだ。

 安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)では、新たに導入された高速道路のスマート管理システムが車の流れや気象などの時々刻々変化する情報を把握することで、春節期の円滑な移動を確保した。

 2023年11月には河南省(Henan)の安陽紅旗渠空港(Anyang Hongqiqu Airport)が運営を開始して、同省北部の「空港不在」を解消した。広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)から安陽市(Anyang)の実家まで移動した蔡さんによると、以前は高速鉄道を利用して移動に7時間以上がかかったが、今は航空機利用により2時間半で済む。

 春節連休中の旅行では、各地で心のこもったサービスが打ち出されたことも特徴だった。

 北京大興国際空港(Beijing Daxing International Airport)では劉さんが、中国南方航空(China Southern Airlines)の地上勤務員が連れてきた6歳の桐桐ちゃんに向かって「すごいね!」と言った。劉さんは桐桐ちゃんの母親にすぐに電話をかけて「安心して。子どもともう一緒だよ。すぐに家に向かうから」と伝えた。

 桐桐ちゃんが利用したのは南方航空がこれまで以上に改良した子どもの単身搭乗サービスだ。チェックインに始まる旅の各段階で専任者が付き添い、幼い乗客に目の届かない瞬間はない。広州白雲国際空港(Guangzhou Baiyun International Airport)で勤務する南方航空の易亮(Yi Liang)氏は、「今年の春節期には特殊なお客様向けのサービスをさらに改善しました。毎日、同伴者なしのお子様など特別なお客様600人以上にこのサービスを提供しています」と説明した。

 春節期間中には、各地で流通ルートの維持により、物資の十分な供給の確保に力が入れられた。

 陝西省(Shaanxi)では発電用石炭を確保するために鉄道輸送が増強された。江蘇省(Jiangsu)では多くの宅配業者が春節期間中も営業して年越し用品を多くの家庭に届けた。海南省(Hainan)では瓊州海峡(Qiongzhou Strait)に面した多くの港が24時間操業をして、連絡船需要に対応した。

 中国人は故郷から離れて生活していても、春節期には帰省して家族全員で年越しをしようと願う。春節期の「移動する中国」は、発展の活力に満ちあふれていた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News