【3⽉23⽇ Peopleʼs Daily】国際通貨基金(IMF)は先日、2024年の中国とアジア新興経済体の成長予想を上方修正し、同時に2024年の世界経済の成長率の見通しを0.2ポイント引き上げて3.1%とした。

 IMFは中国経済の成長見通しの上方修正の理由について、昨年に予想を上回る成長の勢いが続いたことや、中国政府による関連政策のけん引効果を指摘した。

 ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)やスイス金融大手のUBSなども最近になり発表した報告書で、中国における消費とサービス業の回復傾向は2024年も続くとの見方を示した。米国の戦略国際問題研究所(CSIS)は、中国は電気自動車(EV)用電池や電子製品など多くの産業の競争力が世界的にトップであり、輸出は力強いと評した。

 日本の経済団体合同訪中団、世界銀行(World Bank)の訪中団、さらにはフランスのダノン(Danone)、米国のアムウェイ(Amway)、ドイツのBMWなど、最近になり国際機関や多国籍企業の高級幹部が続々と中国を訪れ、中国側との協力強化を模索している。

 中国は国連(UN)の産業分類に含まれるすべての工業分野を持つ唯一の国だ。タイのパンヤピワット経営大学(PIM)中国-ASEAN研究センターの湯之敏(Tang Zhimin)センター長は「中国企業は革新能力、反復速度、製造効率などの面で大きな強みを持っています。その背後には整った産業チェーンと超大規模市場があります」と指摘した。

 IMFの訪中団のソナリー・ジャイン-チャンドラ(Sonali Jain-Chandra)団長は、「中国政府が実施する関連政策は経済に積極的な役割を果たすでしょう。IMFの研究によると、中国経済が1%成長するごとに、他国の経済成長を0.3ポイント引き上げることが明らかになりました」と述べた。

 中国は140以上の国・地域の主要な貿易相手国だ。世界経済フォーラム(WEF)のボルゲ・ブレンデ(Borge Brende)総裁は、中国は投資やインフラなどに基づく成長からイノベーションにけん引される成長にシフトしており、世界経済や世界貿易の分野で大きな存在感を持っているとの見方を示した。

 中国は産業のデジタル化とグリーン・低炭素へのモデルチェンジを積極的に推進している。シーメンス(Siemens)のシャオ・ソン(肖松、Xiao Song)グローバル執行副総裁は、「中国が、最先端技術が定着する『革新の場』になりつつあることを痛感しています」と述べた。

 国家発展改革委員会の劉蘇社(Liu Sushe)副主任は2024年を展望して、「中国経済は全体的に見れば、回復し好調に推移し、長期的に好調に推移するという基本的な情勢は変わっていません。開放された中国は引き続き世界により多くの協力のチャンスをもたらします。中国経済の見通しは明るいのです。われわれは自信を持っています」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News