【3月17日 AFP】パレスチナ自治区ガザ(Gaza Strip)中部で16日未明、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramdan)」期間中の食事を取るために親族で集まっていた建物がイスラエル軍の空爆を受け、36人が死亡する惨事が起きた。

 空爆があったのは中部ヌセイラット(Nuseirat)。ラマダン最初の金曜日となった15日、これまでの爆撃でばらばらになっていた親族が1棟の建物に集まっていた。目撃者が16日、AFPに語った。

 多くの親族を亡くしたユセフ・タバティビさんはAFPに対し、「一部の殉教者は見つかっていない。ブルドーザーなど機械類がない」と語り、犠牲者はさらに増える可能性があると語った。

 遺体が運ばれた中部のアルアクサ殉教者病院(Al-Aqsa Martyrs Hospital)では、モハメッド・タバティビさん(19)が「私たちが建物の中にいる時に爆撃された。母とおばはスフール(夜明け前の食事、suhur)の準備をしていた」と話した。

 ガザの保健当局もこの空爆で36人が死亡したと発表した。一方、イスラエル軍はAFPの問い合わせに対し、ヌセイラットで「テロ工作員」2人を標的に夜間の攻撃を行ったと回答。「状況については調査中」とした。

 ガザの保健当局は、イスラエルの報復攻撃で昨年10月以降、女性や子どもを中心に3万1553人以上が殺害されたと発表している。(c)AFP/Adel Zaanoun