【3月17日 AFP】北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は16日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong un)朝鮮労働党総書記の娘ジュエ(Kim Ju Ae)氏について、「偉大嚮導者(Great person of guidance)」の敬称を使って報じた。この呼称は通常は高位の指導者に付されるもので、専門家は、正恩氏の有力な後継者であることを示唆した可能性があるとしている。

 KCNAは正恩氏とジュエ氏が温室栽培農園を訪れたことを報じた際、朝鮮語版でも英語版でも「偉大嚮導者」を複数形で使った。両氏を指したとみられる。英語版では「偉大嚮導者(複数)が党、政府、軍の幹部を伴い農園を視察した」と伝えた。

 韓国・北韓大学院大学(University of North Korean Studies)の梁茂進(ヤン・ムジン、Yang Moo-jin)教授はAFPに対し、ジュエ氏が指導者を示す敬称で呼ばれたのは「初めて」だと語った。

 世宗研究所(Sejong Institute)北朝鮮研究センター(Center for North Korea Studies)の張成昌(Cheong Seong-chang)氏は、「嚮導」は通常、「最高指導者かその後継者」を指す場合にのみ使われると指摘。「金ジュエに対するこうしたレベルの個人崇拝は、金正恩の後継であることを強く示唆している」と述べた。(c)AFP