【3月15日 CGTN Japanese】中国東北部にある吉林大学が14日に発表した情報によると、同大学の研究者は独自に開発した極地深氷下で掘削ロッドなしで岩盤コアを採取する掘削設備を使用し、東南極(南極大陸のうち、主に東半球部にある地域)の545メートルの氷床を貫通させ、氷床コア(氷床を専用のドリルで掘削して採取した円柱状の氷のサンプル)および氷床下の岩盤の取得に成功しました。

 吉林大学の研究者である張楠氏、宮達氏、劉昀忱氏は中国の第40次南極科学観測隊のメンバーで、3人は無事に科学観測任務を終え、このほど吉林省長春市に戻ってきました。この成果は彼らが「東南極ラーズマンヒルズ地域の氷下地質環境研究プロジェクト」に参加した際に得たもので、今回は氷床下の約0.5メートルの岩盤を入手したとのことです。東南極ラーズマンヒルズの氷床下岩盤サンプルの掘削成功は中国および国際極地掘削技術分野における重大な進展とみられます。

 吉林大学によると、南極の氷深部の氷下岩盤を対象とした地質調査・サンプリングは世界で初めてのことで、今後はより多くの新たな科学的発見を得るために同エリアにより多くのボーリング孔を設置し、より多くのコアサンプルを入手する計画です。

 吉林大学建設工程学部は2011年以降、延べ31人を中国の南極科学観測に派遣し、5人を国際南極科学観測に派遣しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News