【3月15日 CNS】北屯市(Beitun)は中国北西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に位置し、その養殖水域は16万1000ムーに及ぶ。「百湖の城」と称されるこの地域では、多様な冷水魚が養殖されている。

 北屯市農業農村局の関連責任者は、「自然環境下で育つ冷水魚は成長が遅いため、脂肪酸やアミノ酸などが豊富に含まれ、魚肉は細かく密な筋繊維を持ち、滑らかな肉質となる」と述べる。地元では、肉質がしっかりとして美味しい冷水魚が数十種類もいるという。

 また、北屯の冷水魚は「多種多様で味わい深く、飲食消費に豊かな選択肢を与えているのみならず、地元の美食文化を伝える役割も果たしている」と、同関係者は述べている。

 北屯市では、毎日市場に出る冷水魚の品質や価格はさまざまだが、料理人の手にかかればどの魚料理も色鮮やかで香り高く、味わい深い料理に変わる。洗練された冷水魚の食文化が、北屯の飲食サービス業の発展を促している。

 北屯市の西大通りに位置する「斜頸魚荘」では、店主の闕富疆(Que Fujiang)さんが夜のお客のために、魚料理を用意している。

 彼は長年の経験を活かし、地元の料理人たちと協力し、フナや鯉、カワカマスなど20種類以上の魚を使った料理を創作している。炒める、揚げる、焼く、煮るなど、数十種類の調理技術を駆使し、さまざまな冷水魚の宴を演出することができる。

「10種類の魚で10種類の味を楽しめば、舌の満足だけでなく、地元の文化も体験できる。これこそ旅の醍醐味だ」と、闕さんは語った。ネット上では遠方からの客の評価も最高だという。

 地元の特色ある美食として「魚の宴」を提供する各店が、この都市の観光業の発展を後押ししている。

 地元の業界関係者の程(Cheng)さんによると、北屯市とその周辺の県・鎮の冷水魚の宴の人気の理由は、その美味しさにあるという。冷凍保存した魚を運送すると、その新鮮さは多少損なわれるため、「新鮮な味を楽しみ、本場の冷水魚の宴を味わいたいなら、やはり原産地で食べるのが一番だ」と、程さんは述べている。

 現在、北屯の「冷水魚の宴」は地元の人々が親友を招待する際の定番であり、観光客にとっても一度は口にしたい、訪れてみたい所となっている。

 四季を通じて、北屯のレストランや魚店はにぎわいを見せている。祝日や観光シーズンは特に各店舗が満席となり、魚の宴の香りが街中に広がる。人々は美味しい料理を味わいながら人生を楽しみ、未来を夢見ている。(c)CNS/JCM/AFPBB News