【3月14日 CNS】33元(約676円)のパンが15.9元(約326円)。70元(約1435円)のフルーツが半額。50元(約1025円)のナッツ類が19.9元(約408円)。中国沿海部の浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)在住の李(Li)さんがこの日購入した「余りもの福袋(Leftovers Blind Box)」の中身だ。

「余りもの福袋」の「余りもの」とは、いわゆる売れ残り商品ではなく、店舗が作りすぎた結果、売り切れないと判断した商品を指す。若い消費者が好む福袋の形式を利用して、在庫一掃セールを実施しているわけだ。

「今回はパン屋でパンを買ってきました。値段は15.9元で、3種類のパンが入っています」。李さんはZ世代(1990年代半ばから2000年代に生まれた世代)にとって、パンの味とは「余りもの福袋」だ断言した。福袋の中身は日常生活で購入するものと同じ。違いは、商品の選択肢が少なく、余りものの商品だということぐらいという。

 李さんは、「福袋を開封する体験がとても好きですね。時々、高級なケーキが出てくると、大金を稼いだような気分になります」と笑う。

「余りもの福袋」を購入するのは主に20歳前後の若者で、手頃な価格が購入の主な理由だ。寧波でパン屋を営む任(Ren)さんは「店舗で焼きたてを中心に販売しようとすれば、どうしても余りもの発生するのは避けられない」という。

「余りもの福袋」は、無駄を出さないですむ。任さんによると、同店は2024年初めに、売れ残ったパンを即日販売する「余りもの福袋」をスタート。大半の「余りもの福袋」はオンラインで発売され、多くが直後に完売するという。

 杭州市(Hangzhou)、寧波市、上海市などの多くの都市で「余りもの福袋」のサービスプラットフォームを多数誕生している。「最初は好奇心から手に取ったが、今では余りもの福袋を手に入れるのが新しいトレンドになっています」。杭州の大学生、楊(Yang)さんはいう。

 安くて、高品質で、環境に優しい、これらは楊さんが「余りもの福袋」のファンになった理由だ。福袋の購入は、食品廃棄物を減らすなど多くの利点があり、より多くの人びとに「利益」につながると考えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News