【3月13日 AFP】世界で2022年に5歳未満で死亡した子どもは過去最少の490万人で、初めて500万人を下回った。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)が12日、世界保健機関(WHO)と世界銀行(World Bank)と共同でまとめた報告書を発表した。

 推計によると、2022年に死亡した5歳未満児は2000年以降で51%減、1990年以降では62%減となった。マラウイ、ルワンダ、モンゴルなどの途上国では2000年以降、75%以上減少している。

 ユニセフのキャサリン・ラッセル(Catherine Russell)事務局長は、こうした成果が導き出された背景として「安全な出産を支える助産師や医療従事者の存在、致命的な病気から子どもを守るワクチン接種、家庭訪問による支援活動」などを挙げた。

 一方で報告書は、こうした成果は「不安定」であり、「新生児・乳幼児の健康や生存を脅かすさまざまなリスクを無効化する取り組みを行っていかなければ、進歩は停滞、または後退する恐れがある」と指摘。

 世界レベルでは5歳未満児の死亡率の低下は鈍化しており、特にサハラ以南のアフリカ諸国で顕著だとしている。

 チャド、ナイジェリア、ソマリアなどで生まれた子どもの死亡率は、フィンランドや日本、シンガポールなどで生まれた子どもの80倍にもなっている。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、「生まれた場所に子どもの生死が左右されることがあってはならない」と訴えている。(c)AFP/Amélie BOTTOLLIER-DEPOIS