【3⽉20⽇ Peopleʼs Daily】中国の最も重要な伝統的祝日の春節(旧正月、2024年は2月10日。Lunar New Year)は、消費を測る重要なバロメーターでもある。このほどの春節連休中に、中国国内の旅行関連の支出額と支出の全体額はいずれも前年同期を大幅に上回った。全国の映画興行収入と観客動員数は春節期における新記録を樹立し、全国のサービス関連業界の1日平均売上高は前年同期比52.3%増だった。中国国外からも「春節期間中の旅行と消費は新型コロナウイルス感染拡大前の水準を上回る。この世界第2位の経済国では内需が改善していることが改めて示された」などの見方が出た。

 中国がビザなし入国を認める対象国を拡大するにつれ、海外旅行はさらに活発化している。中国全国の出入境検査機関は春節期間中、延べ1351万7000人の中国人および外国人の出入国を処理した。1日平均では延べ169万人で、前年同期の3.8倍だった。中国と外国の観光客が「双方向に往来」することで、春節期は世界の観光関連の売り上げのピークになった。また、旅行や観光の専門メディアからは、春節期間中の中国関連旅行の力強い回復は観光業の弾力性だけでなく、政府が講じた戦略的措置の効果も反映しているとの指摘があった。

 世界経済が多くの不確実性に直面する中で、2023年の中国の国内総生産は前年比5.2%増で、安定の中で好転する状況を示した。世界の多くの金融機関が最近になり発表した2024年の経済展望は、いずれも中国経済の安定回復の基礎はさらに強固になり、科学技術の革新と産業の変革などが内的動力を絶えず引き出していくとの見方を示した。UBSグループは、中国は質の高い発展を堅持して内需主導の経済成長を重視しているとして、グリーン経済やハイテク技術などが新たな成長の力になるとの見方を示した。ゴールドマン・サックスは、中国の経済発展はさらに安定した段階に入るとの見方を示した。シンガポールのターマン・シャンムガラトナム(Tharman Shanmugaratnam)大統領は、「中国には課題が存在するものの、基本的な実力には疑いの余地がなく、また絶えず強化され、強固になっている」と述べた。シャンムガラトナム大統領は、中国には強大な製造業システムと輸出競争力があり、技術者や科学者、増加中の熟練労働者などさまざまな人材がそろっていることが強みとの見方を示した。

 中国は今年、新しい発展理念を全面貫徹し、新しい発展構造の構築を加速し、質の高い発展を推進し、経済の回復と好転の態勢を固めて強化する。スペインの市場アナリストでコラムニストのフリオ・セバジョス(Julio Ceballos)氏は、改革の深化や開放の拡大を堅持し、教育や科学技術革新の強みをより良く発揮し、国内市場の潜在力を十分に引き出せば、中国の経済発展には強大な底力があると指摘した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News