【3月13日 AFP】ロシア北極圏の刑務所で先月死亡した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の側近が12日、亡命先のリトアニアの自宅前で何者かに襲われ、病院に搬送された。同国警察がAFPに明らかにした。

 襲われたのはレオニード・ボルコフ(Leonid Volkov)氏(43)で、ナワリヌイ氏陣営の元トップ。ロシア当局が同氏創設の「反腐敗基金(Anti-Corruption Foundation)」を標的に刑事捜査に着手したのを受け、2019年に他の陣営関係者と共に亡命していた。

 ナワリヌイ氏の報道担当者、キラ・ヤルミシュ(Kira Yarmysh)氏はX(旧ツイッター)に「レオニード・ボルコフが自宅前で襲われた。何者かが車の窓を割り、レオニードの目に催涙ガスを吹き付けてからハンマーで殴り始めた」と投稿した。

 ボルコフ氏の妻は、目の周りが黒ずみ、額に血がにじんだボルコフ氏の写真をSNSに投稿。脚から血を流している写真も公開した。

 リトアニア警察の担当者はAFPに、午後10時ごろ、「ロシア市民」が首都ビリニュスの自宅近くで襲われたことを確認した。容疑者は特定できていないとしている。

 ボルコフ氏は前日、「(ロシアのウラジーミル・)プーチン(大統領、Vladimir Putin)がナワリヌイを殺した。その前にも多くが殺された」と投稿。襲われる数時間前には、ロシアのニュースサイト「メドゥーザ」に対し、「われわれが皆殺しにされる大きなリスクがある」と語り、ナワリヌイ氏の死亡後、不安を募らせていることを明かしていた。(c)AFP