【3月12日 AFP】韓国の有名医大の教授らが、医学部の定員引き上げに抗議するストライキに合流する可能性を表明したことを受け、保健福祉相は12日、患者の命を危険にさらす行為だと警告した。

 韓国政府は先月、医師不足と高齢化対策として、大学医学部の定員引き上げを打ち出した。これに対し、医師らは医療の質の悪化を招くと反発。先月20日からストライキを開始し、約1万2000人が職場を離脱。医療現場は混乱に陥っている。

 政府は研修医らに職場に戻るよう命じ、従わない場合は法的措置を行うとしている。11日には、従わない研修医らの医師免許停止に向けた手続きを開始した。

 韓国の一流医大に所属する教授らは今週、政府がストを収束させるための「妥当な打開策」を示さない限り、来週には集団辞職すると表明した。

 曺圭鴻(チョ・ギュホン、Cho Kyoo-hong)保健福祉相は12日、事態を「極めて憂慮している」と述べた。教授らにはストライキに合流するのではなく、離脱中の医師に職場復帰を促してほしいとし「患者らの健康と命を危険にさらす行為だ」と訴えた。

 医学部教授らで作る協会は12日、研修医らの職場離脱が続く中、医師でもある教授らは既に医療サービス提供維持に尽力していると述べた。

 また、教授らは対立の「迅速な終結」を望んでいるが、政府が「無条件で」協議のテーブルに着かないのであれば、さらに多くの医師がストに加わるだろうと警告した。

 韓国大統領府は12日、尹錫悦(ユン・ソンニョル、Yoon Suk-yeol)大統領が予定通り改革を推し進める意向を示していることを明らかにした。(c)AFP