【3月12日 東方新報】「日本から遠路はるばる、また『香香(シャンシャン、Xiangxiang)』と会うことができてとても嬉しいです。彼女の成長した姿を見届けることができました」

 中国・四川省(Sichuan)雅安市(Yaan)の「中国ジャイアントパンダ保護研究センター雅安基地」は3月10日、特別な来訪者・「日本の大学生百人の中国体験」活動の第1陣訪中団を迎えた。

 彼らの中には「シャンシャン」が日本で生活する姿を直接見たことがある人もいれば、ネットを通じて彼女の成長をずっと見守ってきた人もいる。訪中団の一員で早稲田大学(Waseda University)の小坂暢然(Chozen Kosaka)さんは「団の全員が『シャンシャン』との再会を心から楽しみにしていました」と話す。

「シャンシャン」は2017年に日本で生まれた雌のジャイアントパンダだ。彼女の名前は日本の国民の投票で決まったもので、彼女がいかに日本の人たちから喜ばれ、歓迎されていたかが理解できる。

「日本の大学生百人の中国体験」活動は現在進行中だ。その第1陣として日本の中央大学(Chuo University)、福井大学(University of Fukui)、東京理科大学(Tokyo University of Science)、早稲田大学の大学生39名が、今は四川に帰ってきている「シャンシャン」を訪問し、ジャイアントパンダの保護について理解を深め、中国との物語を作りたいと希望している。

 雅安基地の中で「シャンシャン」は広々とした屋外の活動スペースでのんびりと歩き回り、スタッフの手厚いケアのもとで健やかに成長していた。

 中央大学の轟野乃子(Nonoko Todoroki)さんは、「シャンシャン」は中日友好の絆であり、両国の民間交流のための架け橋になっていると考えている。轟野さんは18年に上野動物園(Ueno Zoo)で長い行列に並んで、当時1歳にも満たない「シャンシャン」に会った。今また健康に成長している「シャンシャン」の姿を見て、興奮を隠せない。彼女は今回の訪問でジャイアントパンダについての理解を深め、この経験を家族や友人と共有したいと思っている。そしてジャイアントパンダの保護に果たしている中国の貢献を、より多くの人に知ってもらいたいと考えている。

「シャンシャンは日本で見た時よりも活発で、大自然に近づいているように見えます」、3年前に日本で「シャンシャン」を見た中央大学の西田亘太郎(Nishida Kotaro)さんはこのような感想を述べた。彼は、「シャンシャン」が暮らしている基地の環境がとても良好で、人との距離も適切に保たれていると感じた。彼はもっと多くの保護基地を訪問し、もっと多くのジャイアントパンダを見てみたいと望んでいる。

 訪中団に随行したジャイアントパンダを主題にしているカメラマンの高氏貴博(Takahiro Takauji)氏は、「筋金入りのパンダファン」だ。「シャンシャン」が17年に一般公開されてから、彼は極寒炎天下もいとわず、ほぼ毎日上野動物園に通ってジャイアントパンダを撮影して、ブログを更新し続けてきた。彼にとってパンダは家族も同然の存在で、それが中国のすてきな物語の出発点だった。彼は「シャンシャン」が新しい環境に適応している様子を見て非常に喜んでいる。

 彼は「『シャンシャン』は中国に帰ってきましたが、日本の人びとの『シャンシャン』への思いはずっと続いているし、さらに高まってもいます。自分もこれからもまた中国に来て彼女の成長を記録し続けたい」と話している。

 今回の「日本の大学生百人の中国体験」活動は、中国駐日大使館、中国駐東京観光代表処が主催し、日本文華伝媒(JCM)・東方新報(Toho Shinpo)、中国新聞社(CNS)四川支社、四川省旅游投資集団が請け負い、四川省文化・旅游庁などの大きなサポートを受けて進められている。

 今回の四川訪問はその第1陣で、この後まだ四川で「武侯祠(Wuhouci)」「天府国際動漫城」「2024年・成都世界園芸博覧会・日本甲府園」などを訪問して、中日の民間交流を進めていく予定だ。(c)東方新報/AFPBB News