【3月12日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日、同国軍はロシア軍の前進を「阻止」し、善戦していると主張した。一方、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)が「白旗」を掲げる勇気を、と語りロシア側との交渉を促したのを受け、ウクライナ側は反発している。

 ウクライナはここ数か月間、最大の支援国である米国からの援助が停滞し、劣勢を強いられている。

 しかし、ゼレンスキー氏は仏BFMテレビで、「わが軍はウクライナ東部でロシアの前進を阻止している」と強調。また、軍は「1000キロ超」にわたる防衛線を構築中だと明らかにした。

 一方、フランシスコ教皇は9日に放送されたスイス国営放送RTSの番組で、「最も強いのは状況を見て、国民のことを考え、白旗を上げて交渉する勇気を持つ人だ」と発言。これを受けてウクライナ外務省は11日、駐ウクライナのバチカン使節を呼び出し、「教皇の発言に失望した」「彼ら(ロシア)に対し国際法をさらに無視するよう奨励している」と伝えた。

 教皇の発言をめぐっては、米国に次ぐウクライナへの支援国であるドイツのアナレーナ・ベーアボック(Annalena Baerbock)外相も「理解できない」と語り、批判した。(c)AFP