【3月9日 AFP】米国防総省は8日、60ページを超える報告書で、米国は宇宙人の船の目撃情報を確認しておらず、地球外の技術のリバースエンジニアリング(分解・分析して仕組みを明らかにすること)も行っていないとの見解を発表した。米政府が宇宙人との接触を隠蔽(いんぺい)しているという陰謀論に冷や水を浴びせる格好となった。

 報告書は、議会の要請を受け、一般的には未確認飛行物体(UFO)として知られる未確認航空現象(UAP)に関する米政府の公式記録を分析したもの。

 国防総省の全領域異常解決局(AARO)は同報告書で、政府の調査や学術研究、公式調査で、UAPの目撃情報が地球外生命体(宇宙人)の技術であることを確認できる証拠は「見つかっていない」と指摘。

 あらゆるレベルの調査の試みによって「ほとんどの目撃情報は日常的な物体や現象であり、誤認の結果だと結論付けられている」としている。

 また、「米政府と民間企業が地球外生命体の技術のリバースエンジニアリングを行っているとの主張を裏付ける経験的証拠も見つからなかった」と報告している。

 リバースエンジニアリングに関する誤った主張は、証拠がないにもかかわらず、思い込みを抱いた人々が拡散している報告に基づくものがほとんどだという。(c)AFP