【3月8日 AFP】欧州連合(EU)の保健機関、欧州疾病予防管理センター (ECDC)は7日、性感染症(STI)の患者数が欧州全域で「憂慮すべきペース」で急増していると報告するとともに、「氷山の一角」にすぎない可能性もあると警告した。

 ECDCによると、2022年にはEUを含む欧州経済地域(EEA)の域内で、淋菌(りんきん)感染症は前年比48%増の7万881例、梅毒は同34%増の3万5391例報告された。クラミジア感染症はEU域内で、同16%増の21万6508例報告された。

 ECDCのアンドレア・アモン(Andrea Ammon)所長は記者会見で、「驚くべき増加で、憂慮している」と述べた。「大きな数字」だが、国によって検査方法や「性の健康」に関する情報やサービスへのアクセス状況が異なるため、実態を把握できておらず、「氷山の一角にすぎない可能性が高い」という。

 アモン氏によると、報告数の大多数を「同性と性行為をする男性」が占めるが、女性や異性愛者の男性の間でも増加している。

 ECDCは、性病性リンパ肉芽腫(LGV)や、梅毒に感染した妊婦から胎児に母子感染する先天梅毒についても、「大幅に増加している」と警告した。(c)AFP