【3月6日 AFP】女子テニス、元世界ランキング1位のシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)のドーピング違反による出場停止処分について、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は5日、処分を9か月に軽減する判断を下した。これにより、ハレプはすぐさまツアーに復帰することが可能となった。

 現在32歳のハレプは昨年9月、2件のドーピング違反で不正監視団体ITIAから4年間の出場停止を科されていた。最初に暫定的な処分が下されたのは2022年10月7日で、同年9月の全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)を最後に公式戦から離れていた。

 ハレプは声明で「この長く難しい過程を通じて、私はいずれ真実は明らかになる、自分は常にクリーンなアスリートなのだからという信念を貫いてきた」と述べた。「この間、不当な非難を浴びせられてその信念が試されることにもなったが、望んでいたよりも長い時間がかかったとはいえ、最終的には真実が勝利した」とし、「ツアー復帰が待ちきれない」と続けた。

 四大大会(グランドスラム)通算2勝のハレプは、2022年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2022)で受けた薬物検査で禁止薬物ロキサデュスタット(Roxadustat)に陽性反応を示し、また昨年には「生体パスポート」のデータに「異常」が見つかっていた。

 しかし、検査で陽性になったのは「汚染された製品」が原因で、生体パスポートに関する違反はその前に受けた手術と関係している可能性があると主張し、2月にCASの審理に臨んでいた。CASは「結果としてCASのパネルは、反ドーピング規則への違反は意図的なものではない可能性が高いことを、ハレプ氏が立証できていると判断した」と話している。(c)AFP/Coralie FEBVRE