【3月4日 CGTN Japanese】中国の名門大学、清華大学の科学研究チームはこのほど、二つの事例を発表しました。重度の対まひ患者2人がそれぞれワイヤレス低侵襲埋め込み型ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)により、意思の制御によるカーソルの移動とグローブ型外骨格デバイスの保持を実現しました。うち14年間四肢まひだった1人の患者は初めて「手で水を飲む」ことを実現しました。

 35歳の対まひ患者の白さんは、昨年12月にBMIの埋め込み手術を受け、2か月余りのリハビリを経て、現在は意思の制御でカーソルを移動させることができるようになりました。医師によりますと、BMIを通じて大脳の運動野の神経信号を取得し、それをデコードすることで患者の運動意図を反映することができ、「意思制御活動」を実現します。

 もう1人の患者は、四肢まひが14年に及んだ楊さんです。楊さんは昨年10月に埋め込み手術を受け、これは中国初のBMI埋め込み手術となりました。楊さんは現在、グローブ型外骨格デバイスを意思で制御することで、握力の機能が一部回復し、平均10秒以内にボトルや物を指定された場所へ持っていくことができるようになりました。それだけでなく、脳信号でロボットハンドを自在にコントロールし、まひ後初めてボトルを手に取って自分で水を飲むこともできるようになりました。

 楊さんは「ボトルを持つことを考えると同時に、それを握れるようになり、とてもうれしかった。生活の質を高めるのに大いに役立つ」と話しました。また楊さんの妻も驚き、科学技術の進歩に伴って楊さんがより多くの日常活動を自主的に行えるように期待しています。

 清華大学が開発したBMIは半侵襲式で、電極を患者の脳硬膜の外側に埋め込み、神経組織を破壊せず、高い信号強度と解像度を得ることができると共に、免疫反応と神経細胞を損傷するリスクが低減されます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News