【3月4日 AFP】(内容追加)ハイチの首都ポルトープランスにある国立刑務所が2日夜から3日にかけてギャングに襲撃され、多数の受刑者が脱走し、少なくとも十数人が死亡した。AFP記者とNGOが3日に確認した。

 事態を受けてハイチ政府は3日、非常事態を宣言。また、首都のある西(Ouest)県を対象に、午後6時から午前5時までの外出禁止令を出した。声明では、6日までの予定とされたが、状況に応じて延長の可能性もあるとしている。

 人権団体のピエール・エスペランス(Pierre Esperance)氏は、「多数の受刑者の遺体を確認した」とし、国立刑務所で服役中だった約3800人の受刑者のうち、施設内に残っていたのは100人程度だったと述べた。

 3日に同刑務所を訪れたAFP記者も、刑務所の外で十数人の遺体を確認。刑務所の門は開いており、中には「ほとんど誰も」残っていなかったと伝えた。

 ハイチ政府は、同刑務所および、クロワデブーケ(Croix des Bouquets)の刑務所がギャングに襲撃され、警察は鎮圧に当たったが、職員と受刑者に「複数の負傷者」が出たとしている。

 エスペランス氏によれば、クロワデブーケ刑務所で脱走した人数は今のところ把握できていない。

 ハイチの首都では、アリエル・アンリ(Ariel Henry)首相の退任を求め、複数の武装集団が2月29日以降、激しい攻撃を繰り広げている。(c)AFP