【2月29日 CGTN Japanese】今年の中国の春節(旧正月)年越し番組「春節聯歓晩会(春節の夕べ)」では、司会者が舞台裏でスマートフォンのAIアシスタントを使って全国の視聴者に新年のあいさつを送りました。中国人の多くはこのことで初めて「AIスマホ」を知りました。

 AIスマホは外部からのアプリを借りず、自らの演算能力によって使用者にとっての身近な「秘書」に変身します。業界の予測によれば、2024年には中国市場で新世代型AIスマホの出荷台数が3700万台を上回り、2027年には1億5000万台に達して市場シェアは5割以上になる見込みです。

 韓国のサムスン電子は1月、Galaxy AIを搭載したスマホシリーズを発売しました。米アップルも次世代のアイフォン(iPhone)新機種に生成AIを搭載することを明らかにしました。中国では、華為技術(ファーウェイ)、Xiaomi(シャオミ)、OPPO(オッポ)、vivo(ビーボ)など大手各社が次々にスマホに生成AI機能を搭載するなどして、AIスマホへの移行が大きな流れになっています。

 また、魅族(メイズー、Meizu)はこのほど発表した経営戦略の見直しで、従来型のスマホからは全面撤退し、AIスマホに全面移行するとしました。OPPOの創業者である陳明永氏は「2024年はAIスマホ元年だ」と断言しました。業界の予測によれば、今後5年間に生成AIが携帯電話業界に及ぼす影響は、スマホがそれまでの携帯電話に取って替わった状況に匹敵し、AIスマホの出現は携帯電話産業に訪れる第三次変革になるとのことです。

 また、AIスマホの機能について、現在までに発売された機種から見れば、生成AIが持つファイルや画像・映像の編集処理能力に加えて、最大の特徴として自らの演算能力による通話時のリアルタイム翻訳や通話内容の要約、音声と文字のリアルタイムの互換などの実用的な機能が実現できることです。まさに「人の秘書」と同様の働きをしてくれるわけです。

 業界アナリストは、総合的に見てAIスマホは商業化のスタート段階にあると考えています。このほど発表された「2024年AIスマホ白書」によれば、2024年には全世界におけるAIスマホの出荷台数が1億7000万台に達し、スマホ全体の15%を占めると見込まれます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News