【2月28日 東方新報】中国コーヒーチェーン「瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、Luckin coffee)」が昨年の年間売上でスターバックス(Starbuck)を上回り、初めて中国市場のコーヒー王座を獲得した、と26日に証券日報(Securities Daily)が報じた。

 ラッキンコーヒーの財務報告書によると、同社は2023年に249億元(約6147億円)の純収益を実現し、前年比87.3パーセント急増した。米国会計基準(GAAP)会計ルールに基づくと、同社の営業利益は昨年30億3000万元(約634億5639万円)に達し、2022年の2倍以上となった。

 中国市場において、2023年のラッキンコーヒーの年間売上高が248億6000万元(約519億8151万円)に達した。

 中国商業連合会の専門委員会メンバーである頼陽(Lai Yang)氏は、「コーヒーがニッチで商業的な消費財から大衆消費財へと変わるにつれて、中国のコーヒー消費者が変化したおかげで、ラッキンコーヒーは中国市場最大のコーヒーチェーンになった」と語った。

 また頼氏は、ラッキンコーヒーの軽量店舗形態は、スターバックスよりも新しい変化に適応できる、と話した。

 ラッキンコーヒーの郭謹一(Guo Jinyi)会長兼CEOは、中国のコーヒー市場は急速に発展しており、より多くのブランドが参入することで、国内市場の競争はより激しくなるだろう、と述べた。

 2023年末までに、ラッキンコーヒーの店舗数は前年比97.8パーセント増の1万6248店舗に達し、その内訳は自営店舗1万628店舗、提携店舗5620店舗である。

 ライバルの一つである庫迪珈琲(Cotti Coffee)は、2月に店舗数が全国で7000店に達したと発表した。

 調査会社アレグラ・ワールド・コーヒー・ポータル(Allegra World Coffee Portal)が昨年12月に発表したレポートによると、中国のブランド・コーヒーショップ市場の総店舗数は5万店舗を超え、世界最大となっている。

 下沈市場(地方中小都市や農村市場)と海外市場は、ラッキンコーヒーの新たな強さの方向性になりつつある。

 2023年、シンガポールのラッキンコーヒーの店舗数は30に達した。ラッキンコーヒーは2023年第三四半期決算説明会で、将来的に海外市場の開拓を継続すると郭謹一氏は述べた。また、中国のコーヒー市場の競争が激化する中、ラッキンコーヒーは今後も1・2級都市での店舗数を増やし、市場シェアをさらに拡大するためのパートナーシップモデルを通じて、低迷する市場の拡大を加速していくと述べた。

 郭氏によると、長期的にはコーヒー市場の縮小が同国のコーヒー市場の生産能力を倍増させるが、短期的には価格競争の継続と大量のコーヒー店の出現により、コーヒー市場の縮小競争が激化するという。

 さらに、コーヒーブランドの中には、市場が低迷しているにもかかわらず、消費者に支持される消費者グループがまだ十分に存在していないものもあり、新たなブランドが多数登場すれば、消費者の転向リスクを悪化させるのは容易だと付け加えた。(c)東方新報/AFPBB News