【2月27日 CNS】春節(旧正月、Lunar New Year)の頃、「8日間で1万元(約21万円)を稼いだペットシッター」の話題が中国のネット上で盛り上がった。「ペットシッター」は、ペットの飼い主が不在の際にペットの世話をする職業だ。中国の大都市でペットを飼う人々が増えてきたことから、この職業は徐々に人気が出てきた。

「2023年中国ペット健康消費白書」のデータによれば、2023年時点で中国本土のペットの数は約2億匹に上り、その中でも北京の住民がペットを飼うことを最も好み、次いで広州市(Guangzhou)、上海市が続いた。21歳から30歳の若年層がペット消費の主力となっているという。

 実際、この仕事を行うにあたっては、ハードルもある。一部の企業はペットの保管サービス提供プラットフォームを設立し、それに対応するアプリを開発している。例えば、「猫巷」アプリでは、従事者がプラットフォームに登録するためには、ペットに関する知識の試験を受ける必要がある。ペットシッターは、市場で一般的に使用されているキャットフードやドッグフード、缶詰、おやつなどの使用方法や使用量を理解するだけでなく、猫砂などの清掃用品の使用規範も理解する必要がある。

 ペットの保管は高額なサービスだ。北京のいくつかの高級ペット保管施設では、一泊の料金が五つ星ホテルを上回ることもある。比較的安価なオプションとしては、主に訪問サービスを提供するアルバイトのペットシッターサービスがある。

 アナリストの見解によれば、北京のペットショップの数は年々増加しているが、需要は供給を大幅に上回っている。「ペットシッター」の登場により、需給のバランスが改善されてはいるが、現在においても、「ペットシッター」はまだ広く認知された職業とは言えない。近年、中国は、若者の就職機会の拡大による新興職業の発展を促進するために、公式に必要な職業資格の入門条件を設定していない。「ペットシッター」などの新興職業は主にサービス業であり、従事者には積極的な態度のみならず、適切な職業技能と素養を持つことが求められている。

 マクロ的な視点から見れば、中国では、ペットを飼う人がますます増えているが、これは孤独感や付き添いの必要性のみによるのではなく、経済社会の進歩も一因となっている。関連研究によれば、経済体の一人当たりのペット数と一人当たりのGDPは正の相関がある。現在、北京ではペットシッター、洗浄師、トリマー、写真家などのペット関連の専門職が現れ、ますます成熟し、規範化が進んでいる。分析によれば、ペットを飼う人びとが生み出す消費と職位需要も経済発展の推進力の一つとなるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News