【2月27日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は26日、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva、ロシア)のドーピング違反に対する処分を受けた2022年北京冬季五輪の団体のメダル再配分について、カナダとロシアが提訴したと発表した。

 ワリエワは北京五輪でロシア五輪委員会(ROC)の団体金メダル獲得に貢献したが、大会前の検査で陽性反応があったとして、今年1月にCASから4年間の資格停止処分を科された。

 この決定を受けて国際スケート連盟(ISU)は「団体戦の順位の見直し」を行い、米国が金メダル、日本が銀メダルに繰り上がり、ROCは銅メダルに降格していた。

 ISUの規定では、団体戦でチーム全体が失格になるのは大会中の薬物検査で陽性反応が出た場合のみ。ワリエワの違反は大会の2か月前だったため当てはまらず、ROCは団体の得点からワリエワの分が差し引かれるだけとなり、カナダは4位のままとなった。

 カナダ選手団の8人は、ISUの得点計算には同意できないとし、ROCよりも得点が1点高くなり銅メダルが授与されるべきだったと主張している。

 一方でロシア側は、ROC、ロシアスケート連盟(RSU)、そしてワリエワを含む6選手がそれぞれ別々に訴え出ている。3件の申し立てはいずれも、ROCの金メダル復帰を求めるものとなっている。

 CASは声明で「四つの仲裁手続きは開始されたばかり」であり、「手続きが初期段階にあるため、公聴会が行われる場合、開催がいつになるかは示すことはできない」と述べている。(c)AFP