【2月26日 AFP】ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領は25日、サンパウロ(Sao Paulo)市内で多数の支持者を集めて抗議集会を行い、大統領選への出馬を8年間停止した当局の措置について激しく非難した。

 当局に抗議する集会への参加を求めるボルソナロ氏の呼び掛けに応じ、市内のパウリスタ通り(Paulista Avenue)には数多くの支持者が集結。支持者を前に演説したボルソナロ氏は、2022年10月の大統領選で敗北した後、権力維持を目的にクーデターを企てたとの捜査当局の主張を改めて否定した。

「クーデターとは何だ? 路上に戦車が投入され、武器が使用され、陰謀が渦巻くことだ。ブラジルでそんな事態は起きなかった」とし、「正当な理由がない限り、当局によって誰かが政界から排除されるなどということはあってはならない」と訴えた。

 22年に行われた大統領選の決選投票でルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)氏に敗れたボルソナロ氏は、敗北は裁判所と選挙管理委員会の陰謀のせいだと主張。翌23年1月、ボルソナロ氏の支持者が連邦議会や大統領府、最高裁に大挙して侵入し、暴徒化する事態に発展した。

 選挙裁判所は23年6月、ボルソナロ氏が選挙制度を損ねたとして、2030年まで出馬資格を停止する裁定を下した。(c)AFP/Luján Scarpinelli