【2月19日 CGTN Japanese】中国国家安全部によると、ここ数年来、中国の野生動植物資源を違法に採取する事件がたびたび発生しており、中国の生態系の安全に深刻な脅威をもたらしていることが分かりました。国家安全機関は違法に採取された中国の重点保護種が国外に密輸された事件を摘発し、関与した外国籍の住民に対し、法に基づいて国外追放処分を下しました。

 2020年4月には、中国のある国家級自然保護区で外国籍住民が中国の重点保護種を違法に採取していると国家安全機関に通報がありました。国家安全機関は関連部門と協力して速やかに捜査を行い、自然保護区内で希少な野生植物を盗採していた外国籍住民の身柄をその場で拘束しました。

 捜査の結果、この外国籍住民は海外組織の指示を受け、違法に100種以上の野生植物の標本と種子のサンプルを採取し、約2000回にわたって違法なルートで中国国外に送っていました。取引額は100万元(約2000万円)近くに上り、数十万元の違法な利益を得ていたことがわかりました。確かな証拠を突き付けられたこの外国籍住民は中国の野生植物の盗採行為を認めたことから、国家安全機関は法に基づき国外追放処分を下しました。

 捜査によると、この外国籍住民と連絡を取っていたバイヤーは長期間、海外におり、連絡ルートは秘密にされていました。海外の組織や人員は通常、ソーシャルメディアなどを利用して国内にいるこの人物を遠隔操作して、特定の種やサイズの植物標本の採取を指示し、価格や期限について交渉したり、盗採の知識や「緊急事態への対応策」を「伝授」したりします。こうした情報を踏まえた上で、この外国籍住民は、遠隔指示に従って、野生植物の愛好者を装って現場に出向き、希少な野生植物を盗採していました。

 また、この外国籍住民は海外からの情報をもとに、中国のあらゆる希少植物リストとその生育地を大胆にも大っぴらに調査・探索し、観光の名目で盗採を行っていました。2011年から四川省や雲南省など数十か所の自然保護区や景勝地を数十回にわたって「観光」し、機会をうかがっては生きたままの植物や根茎を採取し、種子を採取しました。この外国籍住民は検査を逃れ、違法行為を隠蔽(いんぺい)するため、インターネット上で架空の会社や組織を名乗って違法な宅配仲介業者と連絡を取り、植物や種子を送ることで、当局の監督管理を逃れていました。その結果、9年間で100種以上のさまざまな希少野生植物を違法に海外に送り、中国固有の生物資源が大量に海外に流出していたことが判明しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News