【2月19日 AFP】南太平洋パプアニューギニアの高地で血まみれになった64人の遺体が見つかった。警察が19日明らかにした。犠牲者は同じ部族の戦闘員で、18日早朝、対立する部族に襲撃されたと見られている。

 現場は首都ポートモレスビーから北西約600キロに位置する街ワバグ(Wabag)に近い道路沿い。

 一帯ではシキン(Sikin)、アンブリン(Ambulin)、カエキン(Kaekin)といった部族が長年対立。報復合戦が続く無法地帯となっており、これまでも多数の死者が出ている。

 警察が公開した画像によると、被害者は腕や足を切断されたり、衣類を剥ぎ取られたり、胸にビール瓶や缶が放置されたりしていた。遺体を積んだトラックもあった。

 警察によると近くの谷では銃撃戦が続いており、道路沿いの林では遺体の回収が続いている。被害者の多くは、地方部を回り、部族間抗争に加わって金を稼いでいる傭兵と見られている。

 パプアの高地で数世紀にわたって続いてきた部族間対立は近年、傭兵と自動小銃の流入で激化し、死者も増加傾向にある。
 
 また同国の人口は1980年以降2倍以上に増加。土地や資源をめぐる緊張が高まり、部族間対立も悪化している。(c)AFP