【2月19日 AFP】ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は18日、イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の民間人に対して「ジェノサイド(集団殺害)」を行っていると語り、ナチス・ドイツ(Nazi)によるホロコースト(Holocaust、ユダヤ人虐殺)になぞらえた。

 ルラ氏はエチオピアの首都アディスアベバで開催中のアフリカ連合(AU)首脳会議で、記者団に対し、ガザで起きているのは「戦争ではなくジェノサイド」だと指摘。「兵士同士の戦いではない。準備万端の軍隊と女性・子どもの戦いだ」と語った。

 さらに、「ガザのパレスチナ人に起きていることは歴史上見当たらない。強いて言えば、(アドルフ・)ヒトラー(Adolf Hitler)がユダヤ人絶滅を決断した後に起きたことと同じだ」と述べた。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はルラ氏の発言を受け、「恥ずべきであり、憂慮すべき」ものだと非難。政府が駐イスラエル・ブラジル大使を呼び出し抗議したことを明らかにした。

 同首相はまた、発言は「ホロコーストの矮小(わいしょう)化」であり、「越えてはならない一線を越えた」と糾弾した。

 一方、ガザを実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)は、ルラ氏の発言はガザ住民が直面している事態を「正確に説明」するものだと評価した。(c)AFP