■ジョン・レノンとの出会い

 オノさんは、ロンドンのインディカ・ギャラリー(Indica Gallery)で1967年に発表されたコンセプチュアル作品「Ceiling Painting」をきっかけに、レノンさんと出会った。

 ギャラリー内に置かれたはしごを登り、用意された虫眼鏡で天井に書かれた文字を見るという作品で、天井には「yes」と書かれていた。レノンさんもはしごを上って文字を読み、作品に魅了された。

 ハンマーを使って白い板にくぎを打つよう観客を促すかのように展示された「Painting to Hammer a Nail」では、「ある一人の男性がくぎを打ってもいいかと質問してきた」とオノさんは振り返る。

「5シリングを払えばいいですよと言ったら、5シリングを払う代わりに想像でくぎを打ってもいいかと聞いてきた。それがジョン・レノンだった」

 1969年に2人は結婚。1980年にニューヨークでレノンさんが40歳で殺害されるまで共に過ごした。

 出会ってからの13年間で、2人は6枚のアルバムをリリースした他、実験的音楽、短編フィルム、パフォーマンス、インスタレーション作品なども手掛けた。

 レノンさんが死去する前に収録されていた「ダブルファンタジー(Double Fantasy)」(1980)は、1981年のグラミー賞(Grammy Awards)で最優秀アルバム賞を受賞している。

 2013年のインタビューでオノさんは「音楽を聴くと体が動き出す」と語っている。「それが私。それが私の体。子供の頃もそうだった」 (c)AFP/Pablo SAN ROMAN