【2月15日 Xinhua News】中国上海市の楊浦浜江には「緑の肺」と呼ばれるゼロカーボンスマート総合エネルギーセンターがある。川岸にそびえ立つ3本の巨大な円柱は、かつて楊樹浦発電所の石炭灰貯蔵サイロとして使われていた。現在は上部に太陽光パネルを敷き詰め、発電・蓄充電を一体化したシステムで施設内や周辺のカフェ、充電スタンド、照明設備などへの電力供給を担っている。

 国家電網傘下の国網上海市電力市区供電マーケティング部の劉瀏(りゅう・りゅう)氏によると、「緑の肺」は発電と蓄電を同時に行い、太陽光から得られる電力を必要に応じて無駄なく使うことができ、グリーン(環境配慮型)生産力が最大の価値を発揮するという。

 灰の貯蔵所だった汚染地が、数十年後に低炭素・環境保護の象徴となった。円柱内部の大型ディスプレーは、施設の稼働状況をリアルタイムで表示している。劉氏は「ゼロカーボンスマートエネルギー管理システムで電力の貯蔵や使用のモニタリングに加え、ユーザーの使用状況に基づく提案もできる」と話した。

 エネルギー貯蔵技術などの研究開発を手がける緯景儲能科技の陸双双(りく・そうそう)事業開発ディレクターは、「緑の肺」を手始めに、同様の施設を都市部で迅速に展開し、安全で信頼できるグリーンエネルギーをより多くの利用シーンに提供していくとの考えを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News