【2月14日 AFP】欧州人権裁判所(ECHR)は13日、家畜のと殺方法について、宗教的理念に基づく「気絶処理(スタニング)」なしの方法を禁じるベルギーの2地域の決定を支持する判断を示した。

 ベルギーでは三つの「地域」のうちブリュッセル首都圏では気絶処理なしのと殺が依然認められているが、フランデレン(Flanders)、ワロン(Wallonia)両地域はそれぞれ2017年と18年、動物の権利保護の観点から禁止した。

 ただ、イスラム教の戒律にのっとった「ハラル」やユダヤ教のしきたり「コシェル」に基づく食肉処理では、家畜は生きた状態で喉を切らなければならないとされている。

 このため両地域の宗教団体や一部NGOは、禁止措置は「宗教の自由」を侵害するものであり、差別的だとして人権裁に提訴していた。

 これに対し人権裁は、「宗教の自由」への侵害に当たることを認めながら、「基本原理として正当化される上、特にアニマルウェルフェア(動物福祉)擁護を追求する上でも妥当」と判断。ガスで気絶させるなど非致死性のスタニングは認められており、宗教差別にもつながらないとした。(c)AFP