■追加動員法案で広がる不安

 軍の勧誘を請け負う人材募集代行会社「ロビーX(Lobby X)」は、ウェブサイトで軍の職務を公開し、さまざまな部隊や指揮官の情報を提供している。

 ウラディスラウ・グレジーウ最高経営責任者(CEO)は、システムの近代化は「非常に大きな挑戦だが、それが唯一、この戦争に勝利する道だ」と語る。サイトにはこれまでに6万7000件を超える応募があった。

「入隊への一歩を踏み出す手助けをしている。志願した後はどうなるかをより明確に示し、納得して決断できるように」

 だが近い将来、ウクライナ人男性に残される選択肢は減るかもしれない。

 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は昨年12月、軍が最大50万人の追加動員を求めていると述べた。

 追加動員法案は、増員と前線にいる兵士の処遇改善という二つの課題に対応しようとしている。現在は上限のない戦時の兵役期間を36か月に制限することや、動員可能年齢の27歳から25歳への引き下げ、電子徴兵制の導入などが盛り込まれている。

 徴兵の強化が取り沙汰される中で、法案の内容は多くの人に不安を抱かせている。

 動員兵を部隊の一員として迎え入れるのも、単純な話ではない。ザドンツェウさんは「われわれの部隊では、意に反して動員された兵士は好まれない」と語った。その一方で、動員兵に頼らざるを得ない状況であることは認め、正規の訓練を終えれば士気が上向く可能性があると期待を示した。

 ザドンツェウさんは、同胞たちが現状を認識し、引き続き動員に応じてくれることを望んでいる。

「われわれは国全体のため、独立のために戦っている。もしわれわれが戦うのをやめれば、再び占領されてしまうだろう」 (c)AFP/Victoria LUKOVENKO with Barbara WOJAZER in Warsaw