【2月10日 AFP】ピッチ上における振る舞いの改善を目的として、ラグビーのシンビン(一時退場)のように選手を10分間の退場とする「ブルーカード」の導入がサッカー界で検討されていることについて、イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)を率いるユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督らから9日、反対の声が上がった。

 シンビンはすでにイングランドの草の根レベルで審判員に異議を唱えた選手などを対象に採用されているが、試験導入では悪質なファウルも対象に含まれる可能性がある。

 選手が異なるルールの大会に同時に出場することを避けるため、試験導入はトップレベルでは行われないとみられるが、それでもクロップ監督らプレミアリーグの指揮官はブルーカードの導入に懸念を表明している。

 クロップ監督は「現在の状況のすべてが、審判にとっても、可能な限りシンプルに保つべきだということを示していると思う」と述べ、「難しい作業だ。個人的にブルーカードの導入は失敗する可能性を高めるだけだと思う」と指摘。「人聞きが悪いかもしれないが、彼らから最後に出た良いアイデアも思い出せない。私は56歳になるが、一度も記憶にない」と話した。

 トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)のアンジェ・ポステコグルー(Ange Postecoglou)監督も、広く批判されているビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の導入を引き合いに出しながら、新たな失策になりかねないと主張。

「現状にそこまで悪い部分があるのか分からない。私が今一番問題だと思っているのは、選手、監督、サポーターの立場に関係なく、VARが経験を変えてしまったということだ」と語り、「まして別の色のカードが何か違いを生み出すかは私には分からない」とした。

 アーセナル(Arsenal)のミケル・アルテタ(Mikel Arteta)監督は、ブルーカード導入に当たっては事前に厳しくテストされるべきだと述べた。(c)AFP